三澤先生に聞くQ&A
1.ピロリ菌の診療を専門的にしてもらえるクリニックはどこですか?
1.
検査や、ピロリ菌除去治療は、中田内科、酒井胃腸科内科など上記クリニック15施設にて相談可能です。また2015年よりピロリ菌専門外来(胃内視鏡検査、ピロリ菌の検査、ピロリ菌の除菌)が、ふじ養生クリニックから
博愛会病院へ移転しました。受診ご希望の方は、月・水・金曜の午前中にお越しください。
2.胃がんで亡くなる人は今後増えるのですか?
2.
現在では、年間5万人の人が胃がんで亡くなっていますが、いくら早期発見、早期治療が進歩しても、団塊の世代が70才代になる2020年には6万人に増加すると予想されています。
3.一番の予防方法とは何ですか?
3.
一番目の予防方法は、ピロリ菌をやっつけることなのです。ピロリ菌は幼少時に感染し、感染した多くの人では、胃の中で増え続け、ほぼ一生住んでいます。 ピロリ菌は胃の中に住むと、そこで炎症(一般には“ただれ”という)が起こります。それも炎症は長く続き、胃の中は次第に荒れ果ててしまいます。これを慢性胃炎といいます。
このような慢性の炎症に何らかの環境因子やピロリ菌のもっている毒素などが関与して胃がんが発生すると言われています。ピロリ菌が胃がんの原因のほとんどであることは、既に証明されています。従って、胃がんを予防する一番目の方法は、ピロリ菌に感染している人を見つけ出し、ピロリ菌を取り除くのが、重要であると考えられています。
また、ピロリ菌を取り除くと、胃がんになることを予防出来ることも既に証明されています。ただし、予防が100%出来るわけではありませんが、ピロリ菌を取り除くと胃がんになる可能性が1/3以下になると予想されています。
4.ピロリ菌の診療が保険で出来るようになったって本当?
4.
本当です。これまで胃かいようや十二指腸かいよう、あるいはまれな病気の人しか保険を使ってピロリ菌の除菌ができませんでした。平成25年2月22日より、胃内視鏡検査でピロリ菌による胃炎があり、ピロリ菌の検査で陽性と判定された方も保険を使った治療が出来るようになりました。これまでは自費診療で数万円かかっていたものが、3割負担の方はピロリ菌の検査(内視鏡検査は別)と治療が7,000円程度で出来るようになりました。
5.胃がんを予防しよう運動福岡ってどのような運動ですか?
5.
この運動は平成24年4月に立ち上げました。
目的は、福岡市あるいは近郊住民の方に、ピロリ菌の検査とピロリ菌がいた場合にはそれを取り除くことが胃がん予防の第一歩であることを広く知ってもらうためです。
福岡ではピロリ菌に関する情報は、新聞・テレビやたまにある講演会しかありません。
多くの市民が、ピロリ菌の名前は聞いたことがあるが胃がんとの関係までは知らないと言います。公民館でピロリ菌の講演をしたあと自由にアンケートを書いていただくと、「ピロリ菌
というのはこんな細菌だったのですか、目から鱗でした。自分も検査をしたい」と書かれる方が多くいらっしゃいます。
現在、福岡市でこの運動に賛同されピロリ菌の診療に精通しているクリニックの先生15名が会員(2012年4月現在)となっています。